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建交労西日本鉄道本部

建交労西日本鉄道本部は、鉄道の社会的役割である安全で安心な公共交通機関 としての再生を求めています。行き過ぎた規制緩和の弊害と効率優先の経営施策 により、最も危機に陥っているのは「安全」です。「安全」は「何もなくて当たり前」 の公共交通にとって意識し続けなければ、いつしか忘れてしまうものあり、 「努力しなくても安全は守られる」という意識に陥ってしまうことがあります。 これまでの鉄道の歴史はそれを如実に物語っていました。JR発足前後からでも 「餘部鉄橋からの運転事故」「東中野の列車追突事故」「信楽高原鉄道の正面衝突事故」 「尼崎の救急隊員触車死亡事故」「福知山線脱線転覆事故」などこの20年間だけでも 死亡事故が頻繁に起こっています。直接的な原因は様々ですが、その裏にあるものは 共通しています。それは「列車は時間どおりに走らせることを優先している」ことです。 これを現場の社員におしつけ、守らなければ処分の対象とする所謂「日勤教育」の ようなことが蔓延したとき、大きな事故が発生しています。 JRはこれまでにも事故が発生するたびに見直しを行ってきましたが、最も大切な 現場の社員の自由な判断、労働条件・労働環境を奪ってきました。危ないと感じた ときに列車を止めることすら躊躇せざるをえませんでした。
私たちはこれまでにもこうしたJRのやり方に警鐘を発し、改善を求めてきました。 しかしJRの回答は組合員の差別と「連合」組合を利用した組織破壊攻撃でした。 こうした中で発生した「福知山線脱線転覆事故」はまさに組織的犯罪行為であった といっても過言ではないでしょう。しかし同時にそれを阻止出来なかった私たちにも 後悔の念がたえません。
職場の労働条件と労働環境を改善し、職場のチェック機能を高めることが私たちの役割です。 私たちは国鉄時代からこうした考えのもとに活動してきましたが、それはしばしば当局側と 対立することになり、国鉄の分割・民営化時、これを嫌ったJRは50%近い組合員を解雇しました。 2007年10月現在もなお58名の組合員がその補償と復帰を求めて闘っていますが、この問題は 安全そのものに対する闘いでもあります。

●長時間・過労運転の実態が浮き彫りに
2007年6月の「あずみ観光バス」の違反に際して監査した316社中、204社(64.6%)で 法令違反があり、ツアーバスに限ると84社中68社で290件の違反(81%)が該当しました。 しかも過労運転を中心とた違反が確認されています。
とくに一日の最大拘束時間(16時間)や、連続運転の上限(4時間)を越えるケースが目立った ということで、安全軽視の業界体質が浮き彫りになったと言わなければなりません。

●走行キロ規制、休息時間等の法規制を求める
自交・バス部会と連絡会は2007年2月、国交省と近畿運輸局に対し「緊急申し入れ」 (すべてのバス事業者への「法令順守」と旅行業者への「安全と適正運賃への指導・ 監査の強化」など6項目)を行いました。
「旅行業協会」に対しては、2007年3月29日付けで輸送の安全確保に向けて「協力要請」を。 なた国交省、近畿運輸局に対しては同年5月16日付け書面で@一日おける最高乗務キロ数の 法による規制。A連続運転時間を2時間以内(現行4時間)に。B休息時間では現行8時間を11 時間に。また二人乗務の場合、現行4時間を7時間の休息時間を確保するよう法改正を含め 改善方を申し入れています。

●バスらしい労働条件は自らの手で
安全・快適に走るための「バス労働者らしい条件」はこれからです。
この闘いは「行政だのみ」のそれでは実現しません。安全も賃金・働く条件も自前の闘いを 大きくすることが大事で、その根本になる連絡会を拡大する取り組みが重要になってきます。

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